2000年代

　当社のソフトウェア事業を担う主要な協力会社による会員組織「NJCソフトウェア共栄会」が発足した。2000（平成12）年度の売上予算のうち109億円を自社パッケージ、仕入ソフトウェア、受託ソフトウェア、ソフトウェア運用支援などの事業が占め、これらは協力会社に負うところが大きかった。将来的にも協力会社と緊密な連携が必要なことから、この共栄会を立ち上げた。スタート時の会員は協力会社13社で、主な活動は親睦行事や専門分野の研究分科会の開催、会員各社への情報提供であった。

　中堅企業の戦略経営を支援するERP（統合基幹業務システム）パッケージを開発し、「CORE Plus（コア・プラス）」として発表した。統合データベースによりデータを一元管理し、標準ビジネスモデルで業務を統合するなど標準化を支援する国産ERPパッケージであり、法制度や組織の変化にも迅速に対応する。幅広い業界のソリューションに対応する中核製品となることから、システム販売支援本部にERP販売推進部を新設し、営業体制を強化。ヘルプデスクや導入事例紹介など顧客対応も充実させた。

　大塚孝一が代表取締役社長に就任し、南朝日社長は当社顧問となった。大塚社長は1965（昭和40）年に日本電気に入社。同社取締役支配人、執行役員常務を歴任し、2002（平成14）年4月から当社に入社して顧問を務めていた。大塚社長は就任にあたり、事業運営方針として「ビジネス・ユニットごとの成長」「役員および各部門の責任と権限を明確にし、個人レベルまで目標管理を徹底」「変化する事業環境に即応できるよう業務改革を断行」という3点を掲げた。

　“あなたのビジネス変化に「解（こたえ）」を出す”をメインコンセプトとする展示会を、2003（平成15）年7月に東京と大阪で開催した。同月9日と10日の「NJC Solution Conference2003 in Tokyo」（京王プラザホテル）には2,445名の来場者があった。1週間後の「NJC Solution Conference2003 in Osaka」（ホテル日航大阪）にも1,026名が来場した。両会場では日本事務器のコンピュータシステムによるビジネスソリューションの実例をお客様に紹介するとともに、当社とパートナー企業による各種セミナーも行われた。商談も順調に進み、当初の目標額を上回る成果を挙げた。

　リックテレコムからソリューションIT新書『ERP活用による経営改革の秘訣～情報システムは経営に役立っていますか? 社長！』が発売された。当社の中堅企業向けERP（統合基幹業務システム）パッケージ「CORE Plus（コア・プラス）」シリーズを1,200セット受注したのを機に、導入後の効果的な使用方法を紹介する書籍を発刊することとした。同書は、機会損失を明らかにし、リードタイムを短縮するなどして企業競争力を高める経営管理にERPを活用する方法を解説している。

　大学を取り巻く環境は、少子化、外部評価•第三者評価、大学の再編統合と「激動の時代」を迎え、これらに対応するため、経営の効率化・サービスの向上・情報公開・地域社会や卒業生との連携など、数多くの課題に取り組む必要に迫られていた。当社は2001（平成13）年、学校事務システム「Campus CORE21」を開発し販売を開始した。「Campus CORE21」は学校法人会計システム、固定資産システム、学納金システム、入試システム、などからなる統合型パッケージで、お客様のニーズに合わせてシステム導入ができるようになっていた。2004（平成16）年に販売を開始した学生・教職員向けWebポータルシステム「Campus@Venue」はこのシステムの1つで、学生や教職員にさまざまなWebサービスを提供し、サービス向上につなげるものであった。

　IT（情報技術）とネットワークサービスの普及に合わせて、2004（平成16）年6月にNJCネットコミュニケーションズ株式会社を設立した。当社のIPサービス事業推進部と、子会社でLAN工事業務を行っていた株式会社エヌジェーシー・ネットワーク・エンジニアリングを合体させた新会社である。同社はIP（インターネット接続）サービス事業とERPパッケージ「CORE Plus」を融合して、法人向けにIP電話交換サービス、Web会議機能、ドキュメント管理など、ITトータルソリューションに関するコンサルティングの提供を開始した。

　毎年、東日本と西日本に分かれて行われていた社友会総会と懇親会が、80周年記念大会として、東西合同で東京台場のホテル日航東京で行われた。11月12日には総会と懇親会が開催され、集まったOB・OGは懐かしい顔との再会に、時を忘れての歓談となった。翌13日には新東京見学会バスツアーが開催され、最後に当社とゆかりの深い丸ビル前で解散となった。

　福祉・医療・保健の3分野の情報を共有化した介護保険統合システム「Webウェルトピア」は、居宅系システム、ケアマネジメントシステム、施設系システムの3つのサービスからなっている。居宅系システムは介護計画と介護事業を支援。ケアマネジメントシステムは介護計画の内容を取り込んで、プランに基づくモニタリングを行うことができ、施設系システムでは、現場実務に即した介護記録が可能となっている。

　インターネットの普及とともに、企業ではコンピュータウイルスによる被害も増えてきた。当社はセキュリティソフトウェアを提供するトレンドマイクロと連携し、中小企業向けの「NJCウイルス監視運用サービス」を2005（平成17）年4月に開始した。ITへ投資する余裕がない企業でも、システム管理者が行う業務をアウトソーシングし、低価格で導入できる月額固定費のサービスである。当社の監視センターで個々の企業のウイルス対策の状況を常時監視するとともに、最新のアンチウイルス対策や必要となる設定の更新、ログの確認などを行うものであった。

　漁業協同組合向けのパッケージソフトウェアの開発および販売を主業務とする、当社100％子会社として、NJCほっぷす株式会社を北海道札幌市に設立した。当社はこれまで、北海道における漁業関連でソフトウェア開発のプロ集団として実績を重ねてきた。全国的に漁協の合併が政策的に進められる中で、流通形態の多様化や、食の安全に対する消費者ニーズの高まりといった環境変化が進むのを受けて、漁協への支援を強化するためにこの新会社を設立した。

　「NeoCILIUS（ネオシリウス）」は国内の大学約30校に導入実績のある図書館情報システムであり、国内としては初めての「Webブラウザ型業務システム」「4か国語対応OPAC」「多言語対応」といった特徴のあるシステムであった。

　当社は1982（昭和57）年に病院情報システムとして「MAPS」を発表し、以降「MAPS/V」「MAPS/EX」と進化させていき、1997（平成9）年にはオープンシステムの「MAPS/CS」を開発して、導入先の病院を増やしていった。2005（平成17）年に発売した医事会計システム同居型オーダリングシステム「MAPS/ORDER」は、「MAPS」シリーズに外来における処方オーダや、検査オーダを導入できるようにしたもので、伝票記入と搬送の軽減につながるものであった。また、将来的に電子カルテシステム導入への基盤整備にもつながる製品となっていた。

　子会社のNJCネットコミュニケーションズでは、法人向けのIPサービス事業として、2005（平成17）年、IPトータルソリューションブランド「recipe（リサイプ）」を発表した。「recipe」は当初、IP電話サービスを提供する「recipe.phone」、携帯電話やモバイルPCから利用できるASP型のグループウェアサービス「recipe.office」、ASP型のWebコミュニケーションツール（Web会議システム）「recipe.meeting」、IPネットワークのコンサルティングサービス「recipe.net」、データセンターを提供するIDCサービス「recipe.idc」のソリューションからなり、2007（平成19）年には紙文書の電子化に対応した文書管理サービス「recipe.document」を追加するなど、毎年さまざまなサービスを追加し、常に最先端のIPサービスを提供し続けている。

　お客様の課題解決に向けて、業務情報の統合管理、業務および情報の可視化、内部統制強化をポイントに従来のERPパッケージを高度化して、「CORE Plus qbicシリーズ」とした。
　また、食品業の製販情報統合と利益の可視化、および業界課題であるトレーサビリティと鮮度管理を支援する業種特化版として、「CORE Plus qbic Food販売管理・生産管理」の販売を開始した。これにより「CORE Plus qbic財務管理、債権管理、債務管理」と合わせ、食品業向け顧客志向型ERPとしての提供が可能となった。

　2006（平成18）年度の上期全社会議を、NJCネットコミュニケーションズのWeb会議サービス「recipe.meeting」で東京の本社と全国拠点を結んで実施した。「recipe.meeting」を使用した会議は初めてのことであった。会議は2日間にわたり、本社会議室には役員、本部長および部長、関連会社社長および役員が集まり、各拠点からは統括部長およびマネージャなどが参加した。

　当社は通信販売業務支援パッケージとして開発した、中小規模通信販売向け業務支援パッケージ「CORE Plus qbic DirectOne（コア・プラス・キュービック・ダイレクトワン）」と、千趣会向けに開発した「BELLE Direct」を使用した大規模通信販売向けパッケージシステムをリリースした。両者は共通のコンセプトで開発設計されているので、業務量が増大した時に前者から後者へと簡単に移行できる特長を持つ。また通信販売で50年以上の歴史を持つ千趣会との協業で、通販事業の立ち上げからマーケティング、運営、ダイレクトマーケティング展開を支援するためのコンサルティングも開始した。

　独立行政法人国立健康・栄養研究所による生活習慣病対策の保健指導プログラムをもとに、全国の健康保険組合、健診機関、人間ドック、自治体が利用できる、保健指導プログラムの開発を開始した。このプログラムはメタボリックシンドロームの予防のために、健康診断後に行う保健指導を支援するもので、保健指導の精度を向上させることを目的としていた。各健康保険組合で医療費の削減がさけばれるなかで、メタボリックシンドロームを抑制し、国全体の医療費削減にも貢献する公共性の高い事業としてスタートした。

　当社のグループ会社で医療事務を受託する株式会社メディカル情報サービスは、医療情報システムの保守サポート・サービスで日本電気と業務協業を開始した。これは両社で開設した「MegaOak」シリーズ共通のリソースセンターで、日本電気の医療事務システム「MegaOakIBARS（メガオークアイバース）」の導入をサポートし、年中無休のコールセンターサービスを提供した。続いて「MegaOak」シリーズに関するすべてのサポートサービスを展開する拠点として稼働し始めた。

・業種BU事業推進責任→事業責任を担う、名称変更
・プラットフォーム＆サービス事業本部を新設
・S＆S、各地域サービスセンターを地域営業本部へプラグイン
・内部統制対策部・業務管理部新設

・全地域営業部へプラットフォームビジネス営業部を新設、西日本営業本部は、プラットフォームビジネス開発部を改称
・技術企画推進部の一部機能をプラットフォーム＆サービス事業本部へ移管し、クオリティ推進部に改編
・関東甲信営業本部の製造装置SL統括営業部と流通SL統括営業部を統合・再編成、地域企業マーケット担当の営業部を新設〈北関東・神奈川〉

　大学の出席管理や証明書発行、学内電子掲示板、図書館システムなどを連携させた統合サービスパッケージ「CampusAvenue」の提供を開始した。WindowsサーバとLinuxサーバのいずれにも対応し、帳票のカスタマイズ機能などを搭載していた。まず学籍・授業・履修・成績管理などの教学系サービス機能をリリースした後、学生および教職員向けポータルサービス、学生をサポートするカルテなどの機能を順次追加していった。

　P&S技術者コンテストの各部門優勝者4名、SEコンペティションとSEポイントラリー入賞者8名など14名が参加して、インドで5日間にわたるIT企業視察海外研修が行われた。視察先はデリーのインド貿易振興局、IT関連企業各社である。参加者は現地の技術者とのディスカッションを通してその仕事への取り組み方や姿勢に触れ、IT大国へと成長するインドに大きな刺激を受けた。世界遺産のタージマハールなども訪れ、その長い歴史が育んだ文化も成長の糧とした。

　2007（平成19）年4月に逝去した田中信行名誉会長の「お別れの会」を、同年6月に帝国ホテル東京で執り行った。田中名誉会長は創業者・田中啓次郎の長男として1920（大正9）年に東京に生まれ、東京帝国大学理学部化学科を卒業。同大学助教授を経て1955（昭和30）年に東北大学理学部教授および同大学大型計算機センター所長に就任。1983（昭和58）年の退官とともに当社取締役会長に就任。2005（平成17）年から名誉会長を務めていた。お別れの会には大学および学術関係、取引先、社友会、従業員など300名以上が来場し、祭壇に献花をした。

　代表取締役社長および執行役員社長に田中啓一常務取締役が就任し、大塚孝一代表取締役社長が取締役相談役となった。田中社長は1955（昭和30）年生まれ。成蹊大学工学部を卒業し、日本電気ソフトウェアを経て1999（平成11）年11月に当社に入社した。田中社長は就任とともに社長ブログを社内イントラネットに開設し、従業員とのコミュニケーションを重視し、競争の激しいICT業界で勝ち抜く第一歩とした。

・公共・文教SL事業本部内の文教サポートセンターを文教システムサポート部に改称
・医療・福祉SL事業本部内では、①各SBU（医療、福祉、保健・検診）別の販売推進機能を統合し販売企画部を新設、福祉販売推進部、保健・検診システム販売推進部、医療販売推進部を廃止、②福祉パッケージ開発部と保健・検診システム販売推進部内の検診パッケージ開発機能を統合し福祉・検診パッケージ開発部を新設、福祉パッケージ開発部を廃止、③医療システム支援部の機能を計画部に移管、医療システム支援部を廃止
・西日本営業本部企業SL統括営業部・統括システム部の通販関係の営業・システム機能を分離・独立し、通販ビジネス統括部を新設

　少子高齢化時代の到来や、国民医療費の抑制に伴う各種医療制度改革が進む中、医療機関では、地域での信頼性を充実させ、より質の高い医療サービスの提供が求められるようになった。電子カルテシステム「MI・RA・Is/EX」は、新世代の電子カルテシステムとして患者・医療従事者の視点からさまざまな医療シーンに合わせた最新の診療支援機能を搭載していた。当社は医療の質の向上・診療の効率化と、安心・安全な医療をサポート、さらにボーダレスな医療連携の実現に向け、「MI・RA・ls/EX」の販売を開始した。

　販売、会計、人事・給与など、基幹業務において企業全体の最適化を実現する基幹業務パッケージである「EXPLANNER/Ai（エクスプランナー・アイ）」の取り扱いを開始した。「EXPLANNER/Ai」は事業環境の変化にスピーディに対応でき、内部統制強化を支援するとともに効果的・効率的な経営基盤の実現が特徴であった。6種類の基本システムからなっており、任意の基本システムを組み合わせたり、債権システム、債務システム、人事システムを単独で導入したりすることも可能であった。

　顧客のコンピュータシステムに障害などが発生した場合、全国からの電話連絡を一括して受け付けるNJCコンタクトセンター（NJC Customer Contact Center）を立ち上げた。これは電話番号からお客様情報を把握し、社内IP電話網による連携で各地のシステム部門や現地の対応担当者に迅速につなげることを可能にしたサービスである。コンタクトセンターでお客様からの受付内容をデータベースに書き込むことで、指示を受けた各地域のシステム部門はこれを確認しながらお客様への対応が可能になった。また保守履歴や最新技術情報を活用した最適なサポートも提供できるようになった。

・事業ラインの再編成
　①業種別のSol事業本部を結合・再編成、Sol事業推進ラインとして医療・公共事業推進本部、業種ERP事業推進本部を新設
　②業種別のSol事業本部のパッケージ開発機能を分離集約、テクニカル事業ラインとしてパッケージ開発本部を新設。プラットフォーム＆サービス事業推進本部を改称し併合
　③地域営業本部を再編、地域営業ラインとして東地域営業本部・西地域営業本部を新設、東地域には4支社（北海道・東北・関東信越・首都圏）を設置、西地域には4支社（中部・関西・中四国・九州）を設置
・担当役員の委嘱
　各ラインの担当責任者を取締役に委嘱、経営における新事業体制との同期化を企図・PU（プロフィットユニット）の変更
　業種別・職種別のPUを、エリアごと（地域営業本部内支社・特定事業部）のPUに変更
・Sol事業推進ライン
　医療・公共事業推進本部内に販売企画部を設置、業種ERP事業推進本部内にコンサルティングGを設置、各事業推進本部内に事業計画部・ソリューション＆サービス企画部を設置
・テクニカル事業ライン
　パッケージ開発部内に計画部、品質保証部、共通技術開発部、第一パッケージ開発部、第二パッケージ開発部を設置、プラットフォーム＆サービス事業本部内の計画部を事業計画部に改称
・地域営業ライン
　東西地域営業本部内に計画部、医療・公共販売推進部、業種ERP販売企画推進部、特定事業部、システム統括部、PTE（プラットフォームテクニカルエンジニアリング）統括部、サービスセンター統括部および各支社を設置
・アドミニスタッフ
　①プラットフォーム＆サービス事業本部では技術企画推進部の一部機能（技術部門の施策策定・推進、全社の技術者教育の企画）を移管し技術企画部を新設
　②人材部を人事部へ改称
　③情報システム部、クオリティ推進部、内部統制対策部、本務部コンプライアンスグループの機能を統合・再編成、内部統制部を新設、それに伴い情報システム部、クオリティ推進部、内部統制対策部、法務部コンプライアンスグループを廃止

　40年間オフィスを置いた神田小川町のビルが建て替えになるのに伴い、本社を住友不動産西新宿ビル6号館に移転し、9月16日に業務を開始した。同ビルには本社のほか医療・公共事業推進本部、業種ERP事業推進本部、パッケージ開発本部、プラットフォーム＆サービス事業推進本部が入居。またバイデキス、バイコ、ロタプリント、「NEAC-1201」といったこれまでの製品を展示するNJC歴史博物館を併設して訪問客を迎えた。

・パッケージ開発本部
　（旧）NJC九州ソフト開発部標準化推進Gの、品質保証活動に関わる機能をパッケージ開発本部品質保証部へ移管
・東地域営業本部
　①特定事業部漁協Sol営業部の機能を北海道支社へ移管、これに伴い漁港Sol営業部を廃止し北海道支社に特定事業営業部を新設
　②関東甲信医療Solサポートセンターの機能を再編成、医療分野システムサポート、ソフトウェアメンテナンスの機能および医療分野ソフトウェア、健康管理システム、給与・財務システム等プログラム、品質管理関係、ソフトウェア工場関係の機能をそれぞれ関東信越支社および首都圏支社に移管、これに伴い関東信越支社に医療SolシステムG・業種SolシステムGを新設、首都圏支社に医療Solシステム部を新設
・西地域営業本部
　①特定事業部通販ビジネス営業部の機能を関西支社へ移管、これに伴い通販ビジネス営業部を廃止し関西支社へ業種ERP営業部を新設
　②PTE統括部へプラットフォーム関係の販売推進機能を追加、関西支社のプラットフォーム営業部を廃止

　当社は医療事務システム「MAPSIBARS（マップスアイバース）」の販売を開始した。2011（平成23）年度から原則としてすべての医療機関でレセプト（医療機関が保険者に請求する医療報酬の明細書）がオンライン請求となるのに合わせたものである。この医療事務システムは、中堅規模の医療機関向けに実績のある当社の「MAPSシステム」に、日本電気が開発し販売する医療事務システム「MegaOakIBARSⅡ（メガオークアイバースセカンド）」の中核ソフトウェアモジュールを搭載したものだ。「MegaOakシリーズ共通リソースセンター」の設立に続いて、当社と日本電気が医療情報システム分野で協業する第2弾であった。さらに診療報酬や医療制度の改定、薬剤マスタ変更などにインターネット環境で対応する「IBARSonline（アイバースオンライン）サポートサービス」を2010（平成22）年3月に開始した。

・事業推進本部の新設
　Sol事業ラインの医療・公共事業推進本部、業種ERP事業推進本部、テクニカル事業ラインのプラットフォーム&サービス事業推進本部の事業計画・販売企画・自社パッケージ開発企画機能を再編成し事業推進本部を新設
　医療・公共事業推進本部 ソリューション&サービス企画部内の支援G機能を、新設の営業本部技術統括部に移管
　医療・公共事業推進本部、業種ERP事業推進本部、プラットフォーム&サービス事業推進本部を廃止
　新設の事業推進本部内には、事業計画部、医療・公共Sol事業推進部、医療・公共システム部、業種Sol事業推進部、業務Sol事業推進部、プラットフォーム事業推進部を設置
・技術本部の新設
　テクニカル事業ラインのパッケージ開発本部、プラットフォーム&サービス事業推進本部、アドミニスタッフ部門の技術企画部内 技術戦略策定・自社パッケージ開発機能、ITサービス全般の企画・推進機能等を再編成し技術本部を新設、パッケージ開発本部、技術企画部を廃止
　新設の技術本部内には、技術企画部、ITサービス部、パッケージ開発部を設置
　東西地域営業本部内サービスセンター統括部コールセンター機能を統合・再編成しITサービス部に移管
・営業本部の新設
　地域営業ラインの東地域営業本部と西地域営業本部を結合し営業本部を新設、東西地域営業本部を廃止
　東西地域営業本部内の計画部、医療・公共販売推進部、業種ERP販売企画推進部、システム統括部、PTE統括部、サービスセンター統括部を結合・再編成し計画部、営業統括部、技術統括部を設置、結合・再編成前の旧部門を廃止
　東西地域営業本部内サービスセンター統括部内コールセンター機能を統合・再編成しITサービス部に移管
　関西支社にプラットフォーム営業部を新設
・アドミの再編成
　8部門の機能を、経営企画部、監査室(監査部を改称)、内部統制部、総務・人事部、経理部、業務管理部、業務センターの7部門に結合・再編成、一部の業務を子会社へ業務委託
　経営企画部総務Gの庶務関係以外の機能、法務部の機能を追加して総務・人事部を新設、法務部、人事部を廃止、技術企画部を技術本部に移管
　業務センターを新設、業務管理部内営業業務部、共通業務部、情報システム運営部の機能を移管、移管前の業務管理部内部門を廃止

　当社は健康診断業務を支援する新総合健康管理システム「CARNAS（カルナス）」の販売を開始した。2008（平成20）年に医療制度改革の一環で、メタボリックシンドロームの予防に重点を置いた特定健診・特定保健指導の制度が開始された。これに対応するため、2001（平成13）年10月に発売した既存の健診システムの機能を強化し、定期健診から人間ドックまで、また施設内健診から巡回健診まで幅広くサポートできるようにした。さらに特定健診だけでなく、当社製品との連携で特定保健指導業務までトータルにサポートすることも可能にした。各種帳票の作成も簡単にできるなど業務の効率化にも貢献した。

　物流倉庫内の作業を標準化する入出荷検品システム「CORE Plus qbic ePick（コア・プラス・キュービック・イーピック）」を開発し、販売を開始した。無線ハンディターミナルによる入出荷検品、ピッキング、棚卸などの作業を簡素化するとともに、ロットや有効期限、配送先も確認できる。バーコードなしの商品でも扱うことができ、不完全なバーコードや商品マスタも商品推測機能で特定することが可能。物流現場の各種課題解決のための、ITによる支援システムの登場であった。

　「Google Apps」の開発パートナーに認定された。これにより2009（平成21）年5月からお客様へ「Google Apps」の導入支援サービス、構築支援サービス、認証・セキュリティサービスなどを開始した。さらに12月には「Google Apps Premier Edition」の正規販売代理店として、「Google Apps」のアカウント販売が可能となった。これにより、検討段階から導入・既存システムとの連携、さらに運用サービスまでをワンストップサービスで提供できるようになった。その後2010（平成22）年には、全社で「Google Apps」を導入した。

・技術本部関係
　パッケージ開発部内にクラウドインテグレーションGを新設
・アドミ関係
　業務センターは現行の6グループを業務カテゴリー別4グループに再編成
　①販売業務Gと仕入れ業務Gを統合
　②請求業務Gtoあっとゆ～ま！Gと会計G（入金）を統合し、債券業務Gを新設、入金業務以外の業務は会計Gで継続
・営業本部関係
　①営業統合部内、技術統括部内の各Gを部内部に昇格
　②技術統括部内の文教ソリューションサポートセンター機能を特定事業部に移管し特定事業部にシステム部を設置、文教ソリューションサポートセンターを廃止
　③北海道支社は特定事業営業部を営業部の配下とし特定事業営業Gを新設、特定事業営業部を廃止
　④首都圏支社は医療ソリューションシステム部を担当地域別に二分割し、第一および第二医療ソリューションシステム部を設置
　⑤関西支社は業種ERP営業部とIT営業部を統合し業種ソリューション営業部を設置、業種ERP営業部とIT営業部を廃止、業種ソリューションシステム部内にシステム企画支援Gを設置

　当社の従業員が共有すべき共通の価値観や手法である「NJCWAY」を明記した冊子「NJCWAY BASIC 2010」が完成した。自社のこれまでの歴史を受け継ぎ、顧客や社会に貢献し続けるために、あるべき姿と進むべき道を示すことが目的であった。2009（平成21）年4月に社内プロジェクトチームが活動を開始し、現状調査とヒアリングをした結果を集約した。2010（平成22）年の年明けとともに全従業員に配布された。