1920年代

事務効率化の夜明け、革新の一歩を

経営・事業

創業の精神「事務合理化の普及と啓蒙」

1924(大正13)年2月

 日本事務器商会が創業した頃は、まだペンとそろばんで事務処理を行っていた時代である。そこに欧米の事務機械を紹介しても、実際に導入してもらうまでには至らなかった。田中啓次郎は、「事務合理化の普及と啓蒙」を行うことが、自分たちの会社の果たすべき使命であると考え、次のような言葉を残している。
「当社は、日本の事務界が、まだ筆・墨・紙その他の文房具を相手に、事務を雑務として行っていた時代から、高度の効率的事務システムへの移行を必要としていることに着眼し、業界もまたこれにふさわしい進み方をせねばならないという理念の下に出発しました。いわゆる文房具商から高級事務用機械器具の新しい分野を打ち立てようとして、この仕事を始めたのです。」
 この創業の精神は、コンピュータが登場し、ネットワークシステムによる事務処理が当たり前となった現代になっても通用する普遍性を持っている。

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