事務効率化の夜明け、革新の一歩を
東京日本橋の加島銀行ビルの一室で、日本事務器商会(日本事務器の前身)が創業した。創業者の田中啓次郎は、日本の事務機器輸入の草分けである黒澤商店(現・クロサワ)で支配人を務めていた。ところが1923(大正12)年9月に関東大震災が発生すると、黒澤商店は店舗と工場が被災して資産をすべて失った。田中は自分が残ることが黒澤商店の復興の負担になると判断し、同社を辞して創業の道を選んだ。